ここ何年か、個人向け不動産投資が流行りですね。
よく広告で、不動産投資で不労所得をゲットしようという旨の文句が踊っています。
しかし、断言しましょう。
不動産投資は「不労所得」ではありません。
働かずして得られるお金を不労所得と称しているのでしょうが、厳密な意味で、全くの労働コストゼロで得られる所得はありません。
他人に雇われて給与をもらうことだけが労働だと考えているとしたら、何という発想の貧弱さでしょうか。
自分のために、自身が働くのだって労働です。
不動産投資は、「大家さん」というれっきとした仕事です。
資金を調達して、家賃を決めて、入居者を入れて、家賃を受け取って、壊れたら修理してと、無数に仕事があります。
客付けや日々の管理業務を外注したとしても、手間は減っていくだけで決してゼロにはなりません。
外注業者を管理するという手間が発生します。
他人になんでもお任せでうまくいくと考えているとすれば、とんでもない甘さと言わざるを得ませんし、それでうまくいってるよ、という人は類稀なる幸運な人です(ウラヤマシイ)
そういった甘言に釣られた諸兄が不動産投資に参入してきたことが、今日の日本の不動産相場高騰の一因になっているのだと思います。
ただし、「少ない手間で効率よくリターンを得られる」という可能性はあるでしょうね。
雇用されていると、会社が大儲けしても給料は10倍になりませんが、そのかわり大赤字でも給料は保証されているわけです。
自分のお金でセルフビジネスを行うということは、リスクをとってリターンを増やしているわけです。
不労所得という言葉からは、ズルしてもうけようぜ、という下心が透けて見えますね。
一方で、「勤勉な労働者」からは、不労所得を得る連中はけしからんと見る向きもあるでしょう。
でも、不動産を含めた投資行為は「不労」ではありませんし、リスクもそれなりにあるものです。
社会制度や税制の活用によって、限りなくリスクを減らしてリターンを高めるテクニックは色々あるのですが、それは別稿に譲りましょう。
まともにビジネスを興したり、投資に取り組んだ人になら、この不労所得いう言葉がいかに空虚な言葉であるか、ご理解いただけると思います。
さて、不動産賃貸業からも実労所得を得ている我が社としては、相場が下がらないかなーとじっと睨んでいるわけですが、なかなか思うようにはいきません。
ここ数日の日銀の動きで金利が少しだけ上昇しそうな兆しがあるので、そこで相場がどう動くか注視していきたいと思います。